Torichock

10 クローバーフィールド・レーンのTorichockのレビュー・感想・評価

3.7
「10 Cloverfield Lane/10 クローバーフィールド・レーン」

家では豊田祭だけど、映画は見に行ってます。


実のところ、前作「クローバー・フィールド」には、さしたる思い入れもなく、ネットチャンネルかなんかでちょっとだけ観た程度の作品。
僕には関係のない映画の続編と思っていて、6月はただでさえ公開作品と観たいものが多いので、スルーしようかと思っていたんですが、おっとっと、主演を見落としていました。
基本的に、洋画は役者で選んで映画を見ると失敗しやすいので、しないようにしていますが、今回ばかりは特別。
メアリー・エリザベス・ウィンステッドが、タンクトップで追っかけ回されると聞いちゃ、見に行かないわけにいかなかったのです。(「デス・プルーフinグラインドハウス」「スコット・ピルグリム」「遊星からの物体X ファーストコンタクト」いつでも、部屋で会えますがね)

もちろん、「クローバーフィールド」の続編として楽しみにしている人からすると、肩透かしな印象はあるでしょうし、前半の展開というか映画の尺の8割を占めるシェルターのパート、完全に違う映画じゃん!みたいに思うかもしれませんが、いかんせん何も知らない期待もしてない身からすると、ぼんやりとしたSFなんでしょ?という構えを完全に裏切ってくれて、映画を観るダイナミズムというか、そんな快感を感じてしまいました。
思ってたのと違う、って最高だよ。

シェルターの部分は言うならば、
世間一般的に「ルーム」に期待していたことが、まさか「クローバーフィールド」で行われるなんて!っていう、王道密室スリラーとして進んでいく展開でした。
何よりも音使いがとても良い。
こんな展開を予想していなかった緊張感と、ビックンビックンさせる音が、シェルター脱出まで緊張感をしっかり持続させてくれました。
途中の音楽の使い方もとても良くて、好印象。

何をしたって可愛いメアリー・エリザベス・ウィンステッド(ミシェル)が、ジョン・グッドマンによるジョン・グッドマンのための、ジョン・グッドマン的ジョン・グッドマンキャラクター、ハワードに、あの手この手と品を変え、抵抗する姿に萌え萌え。
るー
特に、ジョン・グッドマンのジョン・グッドマン的(言いたいだけ)鍵を盗み取るために、彼女がもう一人の生存者エメット(「ショート・ターム」のナイスガイ)にする動きが可愛い過ぎ。
もし僕がハワード的な立ち位置で、3人でご飯食べている時に、目の前であんなんされたら、そりゃおこになっちゃいますよ。部屋でふて寝しますわ。気まずいお食事シーン、くぅううう。
逆に、エメットの立ち位置ならメロメロですけどね、ええ。

タンクトップ着用の"タニマ映画"(「パニック・ルーム」「テキサス・チェーンソー」を参照してください)としては魅力に乏しい?いえいえ、そこは愛敬でカバー!大事なのは大きさではないのだ。
映画のお話上、洋服の数が制限されてしまうのですが、DIY無菌服もあんなに可愛いなら、もっといろんな部屋着に着替えるメアリーを観たかったっていう個人的な意見は、完全に欲しがりすぎです、ええ。

とまぁ、密室スリラーとして楽しんだ分、物語終盤の脱出後の展開は、"はぁー、なるほどー、そうですかー"みたいな気分で鑑賞。
そもそも、今回はPOV手法じゃないんだから、あいつらをちゃんと映してくれても良かったのに、あんまよく見えないし。
飛んでるあいつ倒し方も、異常に雑ぅ〜!これ、もう褒めてます。
まさかの、穴の中に向かって火を放つという行為の伏線。伏線て呼べないぜ、しょうもないそれ!でも可愛いからオッケー!

この、ジャンルレスでみんなが思ってたものと違う、映画ドライビング。
どこにいくか分からないから、映画って面白いと思ってる僕からしたら、拾いモンだ!って喜べるくらい、楽しめました。
Torichock

Torichock