サラリーマン岡崎

10 クローバーフィールド・レーンのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

3.8
コロナ在宅しているこの状況と似たシチュエーションの作品。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』はNYが舞台だったが、
別の場所ではどのようなことが起きていたのか?という観点はとても面白い。
この物語は監禁されている中で、主人公は自分を監禁した男が「外に出ると死ぬから、君を匿っている」と語られ、
それを信じて、彼に忠実になるべきか、それが嘘で、ここから脱出すべきか
がこの物語の核になると思う。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』が前提としてある時点で、
外に出ると死ぬことは確実で、その点で観客も男のことを信じて良いとも思うし、
でも、男の行動はおかしいから、何かあるのではないかとも思ってしまう。
観客にそういったどちらなのかを判断できないシチュエーションにさせるのは企画としてとても面白い。

だが、その監禁されている話と外での宇宙人の襲来の話のまとまりがなく、
結局別物の作品のように見えてしまう。
両者の要素ともスリルという点では面白くできていると思うが、
結局何をしたかったのかが見えてこない。
ただただ、ミザリーとSFを2つ観せられているだけな様に思えるから、
面白い企画ではあるのに、中身が企画の見た目に伴っていない様に思えてしまう。
宇宙人襲来した時の人間がどんな風になるのかをもっと掘り下げられたら、
もっと良い作品になったのかなと思う。