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エヴォリューションの都部のレビュー・感想・評価

エヴォリューション(2015年製作の映画)
3.2
フランスの変態 アザリロヴィク監督による母性を巡る本作は、代表作の『エコール』を想起する筆致で幻想的で閉鎖的な島での暮らしが描かれている。
血縁関係を持たない妙齢の女性たちとほぼ同数の少年たちの奇妙な同居生活というインモラルな世界観に説明はなく、散りばめられた描写の数々でその正体が浮き上がるという構造はエコール公開時よりもより鮮やかで自然な物となっていてその点は特に良かった。
語り過ぎない限られた台詞の絞りもカルトホラーとしての雰囲気作りに買っていて、そうした世界で交わされる俗に言う根源的なおねショタズムの純度の高さが素晴らしく感じた。思索を巡らせるにちょうど良い余韻もあり、尾を引くような居心地と気味の悪さは唯一無二だと思われる。
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