全編を通して絶望感の漂う作品で、白塗りと細身が特徴的な主人公の娼婦の頭で考えている観念的な事項を、娼婦仲間複数人に次々と語らせるシーンが面白かった。
だが、前半に娼婦と相手のヒモ男の生活がどうなっていくのだろうと登場人物として興味を抱かせるのにも関わらず、ユダヤ人富豪と娼婦が一緒になる以降より、だんだんとこちらの興味が失速してしまう。
あれこれと要素を詰め込みすぎたことによるのか自分自身の鑑賞能力の足りなさによるのか不明だが、魅力的な登場人物たちのシンプルな人間関係を描くことに専念されていればもう少し入り込めたのかもしれない。