ポルりん

闘牌伝アカギのポルりんのレビュー・感想・評価

闘牌伝アカギ(1995年製作の映画)
1.9
近代麻雀で現在連載中の「アカギ 〜闇に降り立った天才〜」を実写化した作品。


あらすじ

昭和33年、高度成長期真っ只中の時代。雨降りしきるある夜、とある雀荘でヤクザ相手に命がけの勝負を挑んでいた南郷は徐々に窮地に追い込まれていた。その時突然、ずぶぬれになった一人の少年が雀荘に入ってきた。


原作でいう所、竜崎~矢木戦を実写で描いた作品。

原作ではこの部分は人間ドラマが殆んどなく、主人公の赤木しげるが如何に天才で狂気じみていてカッコいいかといったキャラクター紹介している部分にあたる話だ。
そのカッコ良さは悪魔じみていており、私が女性であったら間違いなく惚れている程である。

そんなアカギを本作では柏原崇が演じているのだが、私には全然合わなかった。
確かにアカギの雰囲気だけは似ているのだが、台詞や表情が最悪である。

確かに原作やアニメのアカギは狂人で悪魔じみていてピンチにも殆んど動揺する事がないのだが、その中でも人間らしい部分も描かれている。
しかし、本作のアカギは人間らしさが微塵もない。
原作やアニメのアカギは矢木からハメられてピンチに陥る場面で、相手を小バカにしながらそれ以上の手を使ってやり返す様な姿勢を見せるのだが、本作では矢木にハメられても一切表情を変化させない。
多分、綾波レイより表情の変化がない。

恐らく、全然動じない様に描きたかったのだと思うのだが、本作を観る限りでは感情が欠落しているようにしか思えない。
台詞に関してもただ感情なく台本を読んでいる感じだ。
小学校の国語の授業で、音読が苦手な生徒が先生に指名されて無理矢理音読している時の読み方にかなり近い。

この監督は全く持ってアカギを理解していないし、全然描けていない。
ドラマ版の方が遥かにマシだ。
唯一いいと思ったのは、アカギの稗の積み方が初心者っぽい所くらいだろうか…。


また、本作は麻雀のルールが分からない人にはかなり不親切に作られている。
原作やアニメは一応、麻雀のルールの説明や状況をナレーションで説明されるし、理解できなくても雰囲気だけでも全然楽しむ事が出来る。
しかし、本作の場合、一応ナレーションで説明されるのだが、説明しないといけない重要な所を説明しないし、説明される部分が合っても麻雀のルールが分からない人には全然理解出来ないだろう。
そして、雰囲気だけでは全然楽しめない様にもなっている。

キャスティングに関しては一部抜かして皆いい感じの雰囲気が出てたので良かったと思うのだが、スタッフがいまいちだった。
恐らく、このキャストでもっと実力があり原作を理解しているスタッフで作り上げたら結構良い作品になっていたと思う。
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