【完全出落ち映画】
20XX年、人類は合体することを不浄だと考え、コウノトリに外注で赤ちゃんを作らせていた。しかし、宗教の兼ね合いで赤ちゃんを錬金するのこそ不浄だと考えるコウノトリは赤ちゃん生産中止。人類は滅亡の危機に瀕していた、、、
冗談はさておき、赤ちゃんは凹と凸が超融合することでできるという説明を子どもにできない者がよく言う「コウノトリが運んでくれた」エピソードをまさかのアニメ化。子ども向け映画として作られたこのクレイジームービーを観た。
100歩譲って、赤ちゃんが工場で大量生産されるという設定は目を瞑っておこう。子ども映画なんてアイデア勝負なんだから。
しかし、物語運びのあまりの下手さ加減は無視できない。
まず、赤ちゃんを工場に請求したのは少年だ。それも、両親が多忙過ぎてかまってもらえない少年が、弟欲しさに赤ちゃんを請求するのだ。物語中盤で、事情を知った両親が少年と赤ちゃんを迎え入れる為に家をテーマパークに改造するシーンがあるのだが、もうこの時点で親子の絆というテーマの起承転結が終わってしまっているのだ。赤ちゃんは尊いものだというテーマが別のテーマで霞んでいる上に蛇足感が否めない。なんなら、子どもが産めない夫婦が何日も手紙に想いを寄せて待つ展開の方がいいのではないだろうか。
一方、赤ちゃんを孤児とコウノトリが届けるパートも全て「赤ちゃん可愛い」のワンパターンで、悪役も何故赤ちゃん工場を廃止しているのかをしっかり説明出来ていない。だから、終盤のある展開に対してドン引いてしまう。
ただ、面白いところもある。それは、Amazonのような物流会社がいかに時間と正確さに追われ、ハードな日々を送っているのかが皮肉混じりに伝わってくること。
やはり、注文したら秒で届く社会はクレイジーですね。