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バース・オブ・ネイションのNYoLoのレビュー・感想・評価

バース・オブ・ネイション(2016年製作の映画)
3.6
神様がいるならなんでこんなことになるんだろう。

無神論者、などという言葉すら私の中にはないほどに、宗教とは無縁の人生を送ってきた。神棚も仏壇もない。各種宗教の絡むイベントも、誕生会と同じレベルのイベント。多分これからもそうだと思う。

でも最近思う。人ってなにか、自分の中で「自分はこういう人間で、そんな自分が好ましい」という自己肯定感があるから、あらゆる壁を最終的にどうにか乗り越えるんじゃないかと。その壁が無慈悲なほどに高くて厚くて硬かったら、神というシンボルがあったほうが、神を信じている自分、という風に、自分を客観的かつ肯定的に捉えやすいんじゃないかなと。

でも、「それでも世は明ける」でも感じた思い。人間ってこんなに残酷なの?ヘドが出る。戦う人がいて、その上で更に犠牲者が生まれて、最終的にもっと多くの命が失われないと分からない生き物なのだ。私もそんな人間の1人なんだなぁ。事実を知ることは大事だけど、どん底に沈みそうな気分になった。

そこに神はいないと私は思う。でも神のおかげで強くなれる人を否定はしない。こうやって一歩踏み出したのは、神を信じたからだと思うから。

目をそらしちゃいけないけど、続けざまには見られないタイプの映画。アーミー・ハマーがいなければ見なかったと思う。
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