“悲しみの喜びを知って”
【REVIEW】
悲しい時は悲しいし、どうしたって変えられない弱い部分も人は持っている。「諦める」って言うとなんだか後ろ向きだけど、前向きに「受け入れる」ことは時に大切だ。
そんな勇気のいる変化への第一歩を踏み出させてくれるのが、人との出会いというきっかけであったり、音楽がくれるエネルギーであったりする。
音楽の力って本当にすごくて、どんなに人間的にいけすかないと思っている人が歌っていても、歌や演奏がある程度うまくて、曲が良かったら、どうしても耳に残るし身体は揺さぶられてしまうもの。
バンド好きとしては、結構バンドのボーカルってクセが強くて人間的に好きになれない人も多いんだけど、歌はかっこいいから悔しいながら大好き、みたいなバンドも多い。だから逆に、最高にかっこいい音楽を奏でているのに人間的に嫌いだからノらない!ってできる人はすごいって尊敬しちゃうくらいに、音楽の力はすごい。
いじめられっ子でも、性格が悪くても、うまく話せなくても、容姿が整ってなくても、もし音楽の才能があるなら、人からの目を変えられるチャンスはある。才能があるなら、演奏の場なんてどこだっていい。
RADWIMPS(いかした弱虫)もBUMP OF CHICKEN(弱者の反撃)もそう。音楽はいつでも弱気な心や、弱者の立場に寄り添って力を与えてくれるものだし、弱虫たちが強くなれるものでもあるんだと思う。
後にも先にも音楽バカな作品ばかり撮り続けているジョン・カーニー監督が、今作でも音楽の素晴らしさ、音楽の力を伝えてくれる名作。
ヒロインを演じたルーシー・ボーイントンも最高。
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