てるる

シング・ストリート 未来へのうたのてるるのレビュー・感想・評価

4.5
青春×音楽。
これまでのジョン・カーニー作品の中でもダントツで良かった。

学園ヒエラルキーの最下層にいそうなメンバーでバンドを組み、音楽を通して恋し、成長する物語。
映画を彩る80年代のポップス、ロックの名曲の数々は勿論のこと、それ以上に少年達の創る音楽の魅力的なこと!
主人公コナーの歌唱力とともに、人間的にも男としても成長していく姿が楽しい。
思春期ならではの笑いも多い。

でも楽しいだけでなく、両親の別居、兄弟間の確執、学校での圧力やイジメなどの現実も描かれており、コナーの願望が詰まったプロムナイトを模したMVのシーンが泣ける。
『バカにされ、冷笑されなきゃロックじゃない』と言い切り、宿題という名のレコード達を渡す兄にシビれる憧れる!
そんな兄の背中を追いかけていた主人公が、兄の想いを受け、越えていく姿にも涙。

贅沢を言えば、一緒に曲作りをするエイモンをはじめとする個性的なバンドメンバーの面々をもっと掘り下げて欲しかったけど、それを入れてしまうと冗長になってしまうので悩ましいところ。

少しでも興味があって、観ることを迷っているなら絶対に映画館まで足を運ぶべき。
てるる

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