これは良かった。
ダブリンの少年の甘酸っぱい青春と成長物語。80年代に綺麗な近所のお姉さん目当てにバンド始める話、家族や学校やイギリスへの憧れなどを盛り込んでいるが暗くなりすぎずに軽快に観れる。
主人公の兄貴が音楽好きで色々頼もしい。「フィルコリンズを聴く男に女は惚れない」なんて言い切ってて笑う。根拠あるのか?ジョンテイラーを名ベーシストと呼び、ジョージャクソンとTHE JAMを愛する。こいつは信用できる。部屋にヒューマンリーグのアルバムもちらっと見えた。
主人公がキュアーを聴くとロバートスミス風の髪形に、スパンダーバレエを聴くとスパンダー風に(ボーカルの名前知らん)して学校を颯爽と歩く。美形だからかっこいい。歌は微妙だったが曲は良かった。
とはいえモデルの彼女とのシーンは、八方塞りのダブリンの街から逃げ出したい思いと、ロンドンに本当に幸福があるのかとの葛藤が見え隠れし、ただ若さだけで突っ走れるのか観てる方まで不安にさせる。楽しいだけの映画じゃないな。
なんかアメリカ映画だけど「FAME」を思い出した。あれも良い曲ばかりだし、80年代だし、そして希望に満ち溢れてるのだが、なんだか空しい映画なのも似てる。