きよ

シング・ストリート 未来へのうたのきよのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

窒息しそうな劣悪な環境下で、息をするために、イキがったり、逃避したり、歌ったり、殴ったりする子供たちの様子が、最高。
特に10代の子供の傲慢さが、妙にリアルで胸を打つ。

みな登場人物は魅力的だが、最も光り輝いてるのは、にいちゃん。
大人の都合でへし折られた希望や夢を、弟に託して、少し嫉妬して、それでも見守れる強かさ。
傷つかないための逃避や、斜に構えた態度が染み付いているからこそ、物悲しくて、でも、斜に構えているのに滲み出てくる人の良さがいい。
ジャングルを開拓し、己が作った道をぬくぬく歩いた弟を、親のように可愛がれるあの姿に、胸がいっぱいになる。
最後に出てきたあの、イギリスへ人を運ぶ超満員の大型船。あれ、きっとにいちゃんの象徴なんだろうな。
雨の降る中、コナーの小舟を助けた。
きよ

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