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聖の青春のodyssのレビュー・感想・評価

聖の青春(2016年製作の映画)
3.0
【急がない映画】

BS録画にて。
特段、将棋ファンでもないのでロードショウはパス。

若くて病いで亡くなった将棋の村山聖を描いています。
作りが良くも悪くもゆったりしていますね。
あまりドラマティックになりすぎないようにするのも一つの行き方ではあるでしょう。
ただ、逆に言うとこれだと将棋に縁のない人には面白みがあまり感じられないのではないかと。

その意味では、村山の師匠を演じるリリー・フランキーの好演が目立ちました。
あと、当時将棋界のトップにいた羽生善治を演じる東出昌大もよかった。
プロ(四段以上)になりそこねる三段を演じた染谷将太(もう後がないという対戦で鼻血を出しながら指し続けるシーンがすごい)や、古本屋の娘を演じた新木優子など、脇役陣がこの映画を支えています。
将棋指しという商売は、要するに将棋を指すだけで、外面的なドラマ性に乏しく、まあ村山の場合は不治の病いという要素が加わるわけではあるけれど、ドラマを盛り上げるには脇役が大切なんです。
その辺はよく押さえて作っている。

大戦の後で村山と羽生がその辺の店に二人だけで飲みにいくシーンがよかったな。

主人公の母親役の竹下景子はよくない。私は若い頃から彼女を買っていなかったんですが、年を取って醜さが露呈してきている。母親役が似合う女優は他にもいるでしょうに、何だって彼女を起用したんだろう。明らかにミスキャスト。
例の如く嫌いな女優には厳しい私でした。竹下ファンのみなさん、ご寛恕を(笑)。
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