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スイス・アーミー・マンのkerokeromanのネタバレレビュー・内容・結末

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

前からかなり気になっていたので満を持して鑑賞
再生ボタンを押した途端にA24と出てきて、また...お前なのか...と
相性が悪すぎるので(アリアスター作品以外全敗中)途端不安になる

ハリーポッターで巨万の富を得たダニエル・ラドクリフは無理することなく自分の好きな変な作品にばかり出ていると聞いたけど多分これもその一つ
前に見たものとしてはガンズアキンボもかなり変わった作品だったな

キャスト・アウェイという作品で無人島に漂着したトム・ハンクスが一緒に流されたバレーボールにウィルソンという名前をつけて人として交流していたが、この作品はそれに近い、というかそれをぶっ飛んだ形にした感じ

スイス・アーミー・マンというのはスイス・アーミー・ナイフ、いわゆるあの赤い十徳ナイフのように便利な人という造語らしい

で、ダニエル・ラドクリフがこの十徳ナイフのように、体内の腐敗ガスというかオナラの力で無人島から脱出したり、体内の水を主人公に与えたり、腹腔の圧力?で物を飛ばして狩りをしたり...見てない人が聞いたらどういうこと?というとんでもない展開

死んでるはずの死体(?)と主人公が二人の時間を共有していく中で自分を見つめ直すというストーリーだが、本筋はかなり哲学的というか、しっかりイズムがあって真に理解するのは難しいと思うんだけど、間間でアホなシーンが山ほど入ってくるのですごく良いバランスで鑑賞できた

最後、映画内では感動的な空気感で終わろうとしているけど、メアリー・エリザベス・ウィンステッドの「どういうこと!?」というツッコミで『やっぱりそう思うよね?』と現実に引き戻される感じがすごく良かった

翻訳家のセンスかと思うが、先っちょだけの概念は海外にもあるのだろうか

ほぼ二人芝居、ほぼ森の中という限定された設定でこんなに魅せてくれるとは思わなかった
ぶっ飛んだいるけれどぶっ飛んでいるだけで終わらせない絶妙な映画だった
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