MasaichiYaguchi

パワーレンジャーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

パワーレンジャー(2017年製作の映画)
3.3
長男が未だ子供の頃、よく日曜早朝からテレビで一緒にスーパー戦隊シリーズを観て、時には後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティアトラクションズ)で開催されたスーパー戦隊ヒーローショーを観に行ったりしていた。
当時から、日本のスーパー戦隊シリーズをアメリカ向けにローカライズしたテレビドラマシリーズが人気を博していたことは知っていたが、現在に至るまで24年間も連綿とシリーズを重ねて放送されていることを本作を通して初めて知った。
そして遂に、その劇場映画版の“里帰り”とも言える日本での公開である。
この作品に登場するレンジャーたち、レッド、ブルー、ピンク、イエロー、ブラックのコスチュームはハリウッド的な味付けはしてはあるものの、オリジナルデザインをベースにしているし、レンジャーたちが終盤の方で乗り込む大型戦闘マシーンも「恐竜戦隊ジュウレンジャー」のそれを彷彿させる。
ただ本作は日本版に比べ、各レンジャーのプロフィールをより描き込んでいるところに特徴がある。
レンジャーたちはアメリカらしく人種も様々だが、共通して何かしらトラブルを起こして落ちこぼれ、家族や友人との関係が上手くいってなく、葛藤や悩みを抱えている。
そんな彼らだが、自分の生まれ育った町に訪れた絶体絶命の危機を「パワーレンジャー」となって救おうとする。
この作品は、ある意味「パワーレンジャー ビギンズ」と呼べるもので、彼らが「パワーレンジャー」になるまでの悪戦苦闘を中心に描いた作品だと思う。
その「パワーレンジャー」になる荊の道のドラマは、「ONE PIECE」や「NARUTO -ナルト-」、「ドラゴンボール」のような「友情・努力・勝利」をベースにした胸熱なもの。
ラスボスとの戦いは迫力があるが、その幕切れが「アンパンマン」のそれを彷彿させて、思わず笑ってしまった。
続編への伏線を思わせる何とも歯切れの悪いラストだったが、果たして続編は作られるのどうか、気になるところではある。