ダイヤモンド

パターソンのダイヤモンドのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.0
パターソンという町でバス運転手をするパターソン。愛妻と愛犬マーヴィン、それに詩を書くことに密やかな愉しみを見出す。
その彼の一週間。起床、出勤、バスの運行、帰宅、彼女との会話、マーヴィンを連れて夜の散歩、その途中行きつけのバーでビールを飲む。合間に詩作。ただそれだけ。事件はもちろん、劇的なことなんて起きやしない。
でもパターソンにとっては、劇的な一週間だった。

「我が家には“たくさん”のマッチがある」
「僕の頭の中に響くのは〜“ただその一行だけ”」

冒頭の詩とラストの詩、それぞれの一句。彼の人生観が変わったんだって、静かな感動すら覚えました。

淡々とした映画ですが、ユーモアとおかしみのある人々との触れ合いと、名状しがたい味わいのある日常が描かれています。
ジャームッシュ映画を久しぶりに観たけど、初期の作品『パーマネント・バケーション』や『ダウン・バイ・ロウ』と比べると、円熟味さえ感じられます。

何度でも観たい映画かも。