片田舎に住む、バス運転手の日常を淡々と描いた作品なのだが、その何気ない日常がどうしてこうも愛おしく、輝いて見えるのだろうか。
日々、目にする景色を少し違う角度から見てみたり、
日々、聞き流してしまう街の会話にふと耳を傾けたり、
日々、感じる様々な気持ちを詩的に再構築してみたり、
そういった日々のささやかな芸術活動が、人生を彩り豊かにしてくれる事をこの作品は語っている。
誰かから「いいね」を貰わなくても、誰にも拡散されなくても、誰かに発表しなくても、作品の価値は変わらないし、作り続ける意味だってある。
本作は市井を生きる、名もなき芸術家達への賛歌なのだ。