竜平

ジェイソン・ボーンの竜平のレビュー・感想・評価

ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)
3.7
マット・デイモン主演『ボーン』シリーズのまさかまさかの4作目。舞台は前作『ボーン・アルティメイタム』から9年後、元CIAの協力者ニッキーが現れることでまた新たな争いや陰謀に足を踏み入れることになる「ジェイソン・ボーン」、その活躍を描く。

というわけで9年ぶりとなる新作。新キャストにアリシア・ヴィキャンデルやトミー・リー・ジョーンズ、そしてヴァンサン・カッセルやリズ・アーメッドなど。内容的に過去の3部作も見といたほうがいいのは確実なんだけど、「ジェイソン・ボーンってゆー何やら記憶喪失の凄い男がいた」ぐらいの知識だけでももしかしたら楽しめるかも。新たに判明するボーンの過去、父親との話と、そこへCIAによる新たな作戦やとある企業との繋がりというのも見えてくる。実際の出来事である「スノーデン」がちょくちょく話題に上がるのはなんかおもしろい。これは映画『スノーデン』を見てたら詳しくわかるかもだけどまぁ関係ない話は置いとくとして。新章的なストーリーに加えて、今作でもガチンコ感の溢れるアクション、カーチェイスなどは健在で、ここらへんはもう何度も言うけどね、マット・デイモンがやっぱりかっこいい、惚れ惚れしちゃう。行き着くラストとお決まりのエンディングテーマ『Extreme Ways』まで、サラッと楽しめる、そんな一本。

CIAの極秘作戦があり、隠蔽しようとする上官と、その何か良からぬ動きに気づく部下がいて、ボーンは変わらず自分の過去を追いつつ奔走する。言ってしまうとパターンとしては過去作とわりと同じで、ここにきてちょいマンネリを感じてしまうのも事実、何か目新しいものもとくになかった印象。ボーンの凄さにモニター見てる者たちがただただ唖然、みたいなくだり、ボーンの圧倒的な能力を見れるような無双シーンがもっともっと欲しかったかも。これは続編が作られれば作られるほど上がってしまうハードルというもの、かな。自由を手にしたボーンが意外や意外、謳歌してるかと思いきや戦闘やら何やらに関して悶々としてるという、これには良くもわるくも驚いた。宿命には抗えない、というやつか。ふと思うけどこーゆー新章モノにありがちな過去のメインキャラの使い捨て感、これは悲しかったり、ってゆー。
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