ゴリアテの憂鬱

オルメイヤーの阿房宮のゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)
4.1
阿房宮とは、秦の始皇帝が中国統一を成し遂げた後、渭水の南の奥地に建造しようとした豪華絢爛な宮殿のこと。

阿房宮は始皇帝存命の間に完成できず、その後も建設が続きましたが、秦の滅亡によって結局未完のまま終わりました。

『オルメイヤーの阿房宮』と題された本作は、東南アジアの未開の奥地に一攫千金を求めてその村に移住してきたヨーロッパ人,オルメイヤーと、その地で政略的に結婚した妻との間にできた混血の娘の物語。

原作が『地獄の黙示録』のジョセフ・コンラッドということで、どこか二卵性双生児のような作品に感じました。

『囚われの女』でも、冒頭とラストの水面の美しさがとても印象的でしたが、本作はより水の描写が猛猛しく強調されたものでした。

アジア秘境の奥地のロケーションが素晴らしく、まるで川の流れに身を任せて観ているかのような横移動のカットもとても情緒があって美しいものでした。