このレビューはネタバレを含みます
ジェラルド・バトラー主演のディザスター+サスペンス映画。
世界各地で異常気象が発生してきて、もはや各国別の力ではどうしようもなくなってきたので、世界中の力を結集して気象をコントロールできる巨大衛生「ダッチボーイ」を造って数年後、突如として各地で局地的な異常気象が発生、原因を解明するために勤務態度の問題でクビになったかつての開発責任者、ジェイク(ジェラルド・バトラー)が宇宙へと飛び立つ。
珍しくジェラルド・バトラーが科学者という知的な役で登場する。アクションを期待してる人は残念。
話としてはジェイクが異常気象を発生させているダッチボーイを調査する宇宙パートと、ジェイクの弟でありダッチボーイシステム総責任者のマックスが大統領周辺を探る地上パートに分かれて進んでいく。
タイトルである「ジオストーム」とは各地で連鎖的に発生した自然災害がやがて1つとなり地球規模の大災害が発生してしまうということ。
もちろん、故障ではなく意図的にジオストームを発生させようとしている奴がいるわけで、段々と陰謀が明らかになっていくんだけど、ぶっちゃけ分かっちゃいますよね。
世界各国で発生する災害のインパクトはなかなかにスゴいものはあるんだけど、内容としては全体的に薄い印象。
なぜかというと、登場人物が多い割にはその関係性があまり深掘りされてないから。
主人公である兄弟の確執や信頼関係がメインになるんだけど、その辺が伏線もなく全部言葉だけで語られてるのがもったいない。
宇宙チームもメンツは揃ってるものの特に活躍もなく目立たないため、最後の救出シーンもこれといって感動がなかった。
…とはいえ、現在地球が抱えているであろう環境問題に、こういうアプローチもあるんだぜ!と可能性を見せてくれたこの映画は個人的に好き。
どんなに優れたシステムが存在していても、それを管理するのは所詮人間であり、そこに個人的な思惑が入り込んだら大変なことになるよね。
なので、管理する人間側にもお互いが縛り合えるようなシステムがないと、やはり世界規模での管理や平和なんて成り立たないんだよなと、痛感した。
戦争がなくならないわけですよ。
最後は未来に向かって世界は結束したみたいな、終わりよければ全てよしみたいなまとめ方してるけど、世界規模で大量虐殺が行われた事実は消えないんだから、過去は変えられないとか言わないでその責任は取るべきだと思った。
アメリカは世界に対してどうするんだよ…もはや全てを差し出しても償いきれないと思いますけど。