にんげん

ザ・コンサルタントのにんげんのレビュー・感想・評価

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)
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自閉症、今だったらASD。その障害を抱えながらにして会計士と殺し屋という二足の草鞋を履く男の話です。

発達障害×アクションという異色の掛け合わせが魅力の本作では、融通が利かない主人公を支える女性や取っ付きにくいと思いながらも関わりを持つ様々な人間が出てきます。

私が特に印象に残ったのは主人公の父親です。軍人である父親は、幼い頃から「この子は"普通"の子と違う」とすぐに分かるほど障害が重い主人公を甘やかすことはしません。「この世界は優しくは無いのだ」という考えの元で、まだ幼い我が子に様々な暗殺術や護身術を教えます。
主人公の目線に立って映画を観ていると、それは厳しすぎやしないかと思ってしまうほどでした。けれど母と離婚しても癇癪を起こしても、どんなことがあっても一貫した態度の父親を観終える頃には好きになっていました。父親はあまり作中に出てこないんですけどね。

この作品は「ASDと言えば」でイメージするような、もういかにもといった感じの男性が主人公です。周囲にASDの診断がおりている方や、もしかしてあの人はASDなのではないかと思うような方、あるいは自分が当事者で周りにどう思われているか知りたい方がにはとてもオススメです。
障害者を観る映画としてとても有益だと思いますし、適度にアクションシーンがカッコよく飽きない所もいいです。

ベン・アフレックが本当にASDにみえるのがすごいなと思いました。彼の演技力には脱帽です。
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