職業会計士、兼暗殺者ー。
今更そんな手垢のついた話が面白くなるか？？
例に漏れず鑑賞前はそんな風に思っていたのを謝りたい、見てみればとんでもない傑作の一つだった。
まずアクション映画としては比較的おとなしめだが、いざアクションシーンになると密度が半端じゃない。技術とパワーを感じる格闘術、ハンドガンでの屋内戦闘、スナイパーライフルでの遠距離射撃からアサルトライフルでの中距離戦闘。そのどれを取っても面白い。
だがこの映画一番の魅力はその物語にあるだろう。誰一人として無駄のないキャラクター。丁寧に"意味深なシーン"を積み重ねつつも、その疑問を一つ一つ解消していく見事な構成が生んだ巧みな伏線とミスリード。
物語上での秘密が多く、かなり頭をひねって真面目に見ているところでベン・アフレック演じるクリスチャン・ウルフの絶妙な間が面白くて笑ってしまう。そんな魅力的なキャラクター造形と緩急の付け方すらも上手くてひたすら感心。
個人的にはジョン・バーンサルにも並々ならぬ賛辞を送りたい。
終始いろんなところで「ほほう」と思わず唸ってしまう名作だった。
