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リトル・マーメイドのTJのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

リトルマーメイドに関して、アンデルセンの原作よあらすじのみ知ってる状態で鑑賞し皆さんとは順番が逆で実写映画→アニメ映画版という順で見ました。

結論から書くと実写で気になった部分の大半が、アニメ版から改変によって実写版独自で生まれたもので、アニメ版からの改変が上手くいっていない脚本だと思います。

良かった点
・アリエルが王子を好きなる理由が、外見による一目惚れだけではなく、内面、境遇による共通点である点を強調している


以下気になった点
・アリエルが声を奪われた後も内面の歌声を聞かせてしまう

声を奪われた直後も心の声として歌い続けてしまうので、声を奪われたことに対しての葛藤が矮小化してしまってる気がします。
身振り手振りや表情で見せていたアニメ版の方が巧みだと思います。


・既存有名曲の使い方
例えば、アンダーザーシーのシーン
実写版のリアリティ的には海に楽器隊は出てきませんが、が歌詞ではジャズバンドだの、パーカッションなどが出てきます。。
音楽家であるセバスチャンが、その場にいる仲間とアリエルに海の魅力伝えるために、その場で起きていることを歌詞にしていたはずの歌が、アリエルと一緒に歌ったりなど、同じ歌なのに全くの別物になってます。


・アースラとの契約の不明瞭さ
契約の結果 キスができないとアリエルがアースラのものになる(姿を変えられてしまう)という部分が実写では絵的に見せてくれないので目的がわかりにくく、初見ではトリトン王の身代わりに関しても死んでしまったようにしか見えませんでした。アニメ版ではあんなにわかりやすかったのに…

しかもその結果姿を変えられていた人魚たちが解放されて集合するというシーンも変わってしまってるので感動もなく。。
サインするという点を変えたのは整合性を感じて良い改変かも。

散々書きましたが一番許せないのがアリエルがアースラを殺してしまうラスト。
他者との対話、理解を大事にしようという話のくせに、悪役は理解せず倒すでいいの?しかも叔母を刺して罪悪感一つなさそうだし。

総じてオリジナルやキャラクターに対して愛のない実写化だと感じました!
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