DJあおやま

リトル・マーメイドのDJあおやまのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.3
吹替版にて鑑賞。上映時間がオリジナル版は84分なのに対して本作は135分とやたら長く、どれだけオリジナル要素が多いのか危惧していたが、案外不必要なオリジナル要素や冗長的なシーンはなく真正面からの実写化だった。フランダーやセバスチャンの生々しいビジュアルも意外と受け入れられ、スカットルは非常に愛らしかった。船上や海中のシーンは美しく、そして壮大に描かれていて、これぞ実写化ならではの迫力を感じた。海中のシーンは全体的に暗く、少し眠気をおぼえたが…。
『リトルマーメイド』の実写化として、概ね満足のいく出来といえる。ただ一点を除いては…。それは上映前から散々言われていた、アリエルのキャスティングについて。演じたハリー・ベイリーに罪はないのだが、最後までアリエルには見えなかった。アースラが人間に化けた姿の方がずっと可愛くて、そちらが演じていたら…と思ってしまった。このキャスティングに意図があったかは詳しく把握していないが、かなりポリコレを意識した作品に感じた。アリエルの姉妹をさまざまな人種なキャストが演じたり、最後人間と人魚の誤解が解け手を取り合うシーンではさも現実の人種問題や奴隷問題を想起させる台詞があったりした。こういったファンタジー作品でそれをやられると少し冷めてしまう。
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