Clara

ブラック・スワンのClaraのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
3.2
人間の精神の極限状態が、すごくよく伝わってくる。
親からのプレッシャーと束縛にずっと耐え続け、バレエしか知らない人生を送ってきた真面目で繊細な人間が抱える、限界を超えた抑制。そこに大役を得た喜びの裏にある、成功しなくてはならないプレッシャーと、狙われるポジションを守り抜かなくてはならない恐怖が加わる。
少しでも解き放たれた解放感を味わったがために、バランスが取れなくなり、ますます狂気を帯びていく。人間のもろさ、抑制の恐ろしさを感じずにはいられない。

中盤のクスリやエロティックなシーンの意味が、ラストにかけての混乱状態を見てわかってくる。
現実なのか錯覚なのか、映像を見ていて区別ができなくなっていく。これが狙いなのだと思うが、結構考えてしまった。なかなか難しい世界観でもある。
中盤までは、ナタリーはなんて白鳥にぴったりなんだ!と思いつつ観ていたが、終盤にはナタリーすごい…に変わります。
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