Shu

ブラック・スワンのShuのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
3.0
アロノフスキー監督の「ブラック・スワン」を観てきた。
お話は バレリーナで踊ることに全てを捧げるニナ(ナタリー・ポートマン)。ある日、芸術監督のトーマスは新シーズンの「白鳥の湖」でニナをプリマの第一候補にしたのだったが、新人ダンサーのリリーもまた有力な候補の一人だった。敵対心とプレッシャーからニナの心は徐々に変化していく。
ナタリーポートマンがこの役にハマっていたのは間違いない。破滅に向かう鬼気迫る感情表現は素晴らしいものがあり彼女無しには成立しないといっても過言じゃないと思う。しかしながら筋立てはちょい昔よくあったサイコスリラーで前半でなんとなく最後まで読めてしまいそうな・・・
ただ重要なのは話しの筋ではなく徐々に狂気に変わっていくニナの主観で描かれた映像だろうな。理屈や頭で観るよりも感覚で観る作品なのかもしれない。ただ私としては「レクイエム・フォー・ドリーム」のジェニファー・コネリーよろしく、ナタリーポートマンがあんなことになってしまいもう見てられない~
そしてところどころの変な笑い? ナタリーの足が・・・なシーンとかギャグかと思って吹き出しそうになった。
ずっと手持ちカメラで不安感を出し、舞台をトウシューズが叩く音などSEに拘ってたりするのは全編ほぼ出づっぱりの主演ナタリーポートマン演じるニナの主観で描かれているがゆえの計算なんだろう。
クライマックス、ニナの踊りには呼吸を忘れるくらいの迫真の演技、ダンスで、すばらしかったのは確か。
決して万人受けする作品じゃないんで、あまりお薦めはできないかな。セクシャルなシーンが変に多いので、誰かと観にいく時は人を選んだほうがいい。「痛い」のが苦手な人も・・・
大音響で聴く「白鳥の湖」は、かなりの迫力でした。

(2011年05月17日レビュー転載)
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