イチロヲ

女教師 私生活のイチロヲのレビュー・感想・評価

女教師 私生活(1973年製作の映画)
3.5
教え子(風間杜夫)と一緒に同棲生活を開始した女教師(市川亜矢子)が、同級生の少女(梢ひとみ)から妨害工作を受けてしまう。女性教諭の「我を貫いた性生活」を描いている、日活ロマンポルノ。一般公募によって選出された、女性脚本の作品。

70年代の普遍テーマ「飾らない女性像」を、社会的模範であるはずの女教師の視点から描いている作品。市川亜矢子のギラついた眼と適度に草臥れた肉体が、そこはかとない実在感を醸し出している。

風間杜夫演じる教え子は、何も努力していないのに熟女と少女の両方の体にありつくことができるため、男性視点からの感情移入は極めて困難。強いて言えば、ホテルに入りづらい年頃の学生カップルが、街中を放浪するシーンが白眉といえる。

血がついたシーツ、色とりどりの風船、野外セックスでの花吹雪、室内を泳ぐ模型飛行機。随所に田中登流映画術が発揮されており、稀有な映像世界を満喫することができる。
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