夫の浮気が原因で離婚した四十路の女性（白木優子）が、後輩青年（山本宗介）の一途な想いを受け流そうとする。哲学者と化した女性の自己実現を描いている、オーピー配給のピンク映画。別題「崖っぷちの熟女たち」。

男女交際（または性愛行為）の在り方を模索するようになったヒロインが、「何のためにセックスするんだろう？」と哲学していく。竹洞＆小松の稀有な作家性が横溢しており、軽やかなタッチで前向きなヒューマニズムが説かれる。

公開時で40歳になる主演女優・白木優子が、人生を達観しているようで、まだまだ未熟のようにも見える、いわゆる"性の哲学者"を好演。ねちっこい濡れ場のムレムレ悶えぶりが素晴らしく、オトナの女性の婀娜っぽさを堪能することができる。

助演では、夫とのコスプレ・プレイに興じている従姉（和田光沙）と学生時代の恩師（倖田李梨）が登場。個性溢れる芝居で女同士の掛け合いを魅せてくれる。成人映画の普遍的テーマ「生きるための活力としてのセックス」を想起させる着地点もエクセレント。

監督作は何作か拝見しているのですが、今作も作風が好く出てるとゆーか、ごく他愛無いノンビリした話だったかとは思うのですね⇒好く言えば肩肘張らずにリラックスできる、悪く言えば抑揚に欠ける、と。しかし、メインの二人の熟女（ゆーて和田光沙さんは当時アラサーですケド）の相性とゆーか端的な演技の質・面白さとゆーか、ソコにクオリティがチャンとあるから１時間チョイは全然観てゆける…て作品だったかとも思うのですね。オマケで少し加点しておきます。

濡れ場も、私が観たヤツのバージョンはちょっと定かではないですが、量はともかく質とゆーかまずまずハードな方の絡みだったとは思うのですね。ただ、量は（ピンク映画としては）かなり少ない方だったのではねーかな…とも思いますし、羽月希ちゃんが出てるって楽しみにしてたら一瞬しか出て来ねーし、これも作風には思えますがドラマ寄り・ドラマ指向な方の作品かとは思いますね。ピンク映画を観るとゆーか、ズバリ白木さんのファン向け…的な使い方がより正しい、とも思います。

白木優子の魅力が最大限に出たものすごく良い映画。