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ザ・デクラインIIIのtomocoのレビュー・感想・評価

ザ・デクラインIII(1998年製作の映画)
3.0
破壊による崩壊。

米ハードコアパンクスのドキュメンタリー。
若きストリート(ホームレス)パンクスをメインにしたドキュメントだったが、若くして生き様が凄まじく、ホームレスにならざる負えない環境を抱えた若者が多い。
俗世間や社会からそっぽを向かれた彼らの行き先は、パンクスが群れるライヴハウスや路上だった。
若いエネルギーが有り余ってるのに、ライヴでネオナチと暴力沙汰になり、酒やドラッグに溺れ、道行く人々になけなしの小銭をせびる...何とも切ない話である。
彼らはなんの希望も光も持ってない。働く意思もない。ただただ空虚なだけ。
米国の現状とまではいかないけど、世界にはまだ恵まれてない人々がたくさんいて、そのやるせなさと怒りを歌詞にぶち込むパンクスに共感する子供達。
エンディングはまさに崩壊であった。
パンクは破壊や衝動を表現するものであるが、このドキュメンタリーを観て、思想の植え付けも良くないのかも...と少し思ったり。

かく言う自分が10代の頃行き場所がなく受け入れ、救ってくれたのがライヴハウスのパンクス達でした。
今でも脳内で思考の破壊や構築を繰り返すから、パンクが好きになったのかもな...。
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