テロメア

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起のテロメアのレビュー・感想・評価

4.2
まさに一年戦争の始まりの戦い。

初代ガンダム本編ではどちらの陣営が悪いとかいう描写はなく、淡々と戦時下での人々がそれぞれ自分たちが置かれた立場で出来ることをしているという戦いだった。だが、前日譚たるジ・オリジンシリーズで見ていると、どちらかというと地球連邦がコロニーへの植民地的な支配が強く、結構あっさりと民衆に発砲するので(地球連邦政府として命令したのか、はたまたザビ家の息のかかった者は不明だが)、そら誰だって怒るし独立を求めるし命をかけて戦うと決意するわな、という植民地として支配するにしても最悪の統治政府ゆえ、起こるべくして起きたのが一年戦争だったのだなぁ、と今作シリーズを見ていて思いましたね。どこまで謀略があったかは知らんが。

で、陥れられたのはシャアも同じ。だけど、こうした謀略の末に貶められた者が反逆する物語は、得てしてその謀略した者たちと同じように他者を謀略謀殺することで成り上がり、最終的には謀略同士の対決になっていく。若手謀略家と老兵謀略家の構図。かなり大好きな流れだが、そうなるとデギン・ソド・ザビもどうやってのし上がってきたのか気になってしまう。この老獪が一番戦局が見えているのは、初代ガンダム本編でも描かれていたし。

まあ、それはさておき、今作から本格的にシャアが本編のシャア・アズナブルへと成っていく、その始まりの物語。なので、個人的にめっちゃ好きなエピソードでした。ただ、端々にアニメ演出ならではのギャグ演出がちらほらあり、そこはあんまし好みではないなぁ。特にガルマの金魚の糞たちよ。あいつら、あんな凶悪なツラしてるのに士官学校に入学できたわけだ。なんか、前回に倍率が高いとかいうセリフがあったと思ったが、彼らはそれをクリアしてなお、あれなのか。大昔からある漫画にいるテンプレ通りの絡んでくる不良ABCなのだけど、ここ士官学校であるし、なんか冒頭に「諸君らはエリートだ!」とかなんか力強い演説があった気がするが、そうか未来のエリートはああいうのも個性なのだろう。なるほど、現代にある多様化社会というやつか。うむ、個性個性。エリートとは見た目ではない、と。

まあ、思うところはいろいろあれど、全体的にエピソードとして好きでした。やはり、反逆の狼煙をあげるエピソードは燃えますね。続きみよっと。
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