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バリー・リンドンの遊のレビュー・感想・評価

バリー・リンドン(1975年製作の映画)
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英国貴族社会版スカーフェイス

飛び抜けて異色作かつ大傑作みたいなのをふたつ連打したあとにこういう、丁寧に淡々とひとりの人生を描くクラシックな正統派/正攻法で3時間中弛みさせない作品出してくるの、キューブリックどんだけ全映画人にマウント取りたいんだよ

どの登場人物でもない声でずっとナレーションが入るから自然と俯瞰でバリーの人生を追っていくことになる、
バリーの身に起こる大きな出来事たちは必ずしも「因果応報」ではなく、脈絡のない「偶然」であることも多々あって、映画の脚本って考えるとこんな偶然ばっかで物語が動いていくのって白けるけど それがどうしたと言わんばかりの強力なストーリーテリングが「偶然」を「運命」という「人間ごときが逆らえない神の意志によるもの」に昇華させている
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