小川勝広

息の跡の小川勝広のレビュー・感想・評価

息の跡(2015年製作の映画)
5.0
カメラの前と後ろの会話がいろんな意味で結実しているところが、小さなエポックメイキング。
(会話があるドキュメンタリーも多いが、
撮る側と撮られる側の凝視しているであろう時や場所が同じ、アプローチが違う、という意味で結実。2人の想いが異音同義のユーモア入り)

カメラが入るとノンフィクションもフィクション、カメラの前ではドキュメンタリーも意味合いが違ってくるとはよく言われる。

そんな境界線を消すような、
カメラの前と後ろの会話。

半径数メートルの世界でも、
ひとと土と空とその先の繋がりや、向こう側を描ける人もいる、

スペクタクルな世界でも、
ひと1人描けない人もいる。

キラキラ輝く瞳、口紅が真っ赤な、
ポリタンクの上に、
I saw the seed of hope in my heart.

フィクション、ノンフィクションを超越した
バディムービー(と呼ぶのが私にとっては腑におちる)の傑作。