meltdownko

さよなら、ぼくのモンスターのmeltdownkoのレビュー・感想・評価

4.0
カリコレ2017。
オスカーが10年にわたり自分を性的に抑圧してきたものの中心にあったものが父親であったと見据え、撃ち抜いていくまでを描いているのだけど、とはいえ父が自分を愛していたという事実もまた捨て去ることはできないわけで、こうしてみると否が応でもドランのデビュー作を思い返さずにはいられない。幻視と現実を混濁させていく手法に関しても、使い方は違えどやはりドランを意識しているのには間違いがないのだろうと思う。
最近観た「僕の世界の方程式」において、モブキャラの少年が「自閉症の子供は才能がなければ愛されない」と言っているのを聞いて割とはっとさせられるところがあったのだけど、この映画のオスカー少年も特殊メイクに目覚めつつもそれで大学には入れるわけではない程度の才能なのであって、そういえば同性愛者が芸術をやりつつ才能を持たない人間として描かれるのって今までになかったよな、とか思った。
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