ポルりん

ゾンビ・サファリパークのポルりんのレビュー・感想・評価

ゾンビ・サファリパーク(2015年製作の映画)
3.5
ジュラシックパークの恐竜をゾンビに変えたような作品。

あらすじ

20億人が犠牲となったゾンビ世界大戦から7年。
戦争で父親を亡くしたメラニーは、“アウトブレイク生存者サポート”でゾンビ狩り療法が良かったという評判を聞きつけ、パートナーのルイスとともに「リゾート」にやってくる。
しかし、何者かが「リゾート」のシステムに侵入しウィルスを仕掛けたことで、セキュリティが制御不能となり島中にゾンビが解き放たれてしまった。
しかも自動的に5時間後に島全体が戦闘機で空爆されるブリムストン・プロトコルが発動されていたのだ。


パッケージやタイトルはかなり微妙だったのだが、あらすじを見たら結構斬新なアイデアだった鑑賞に至った。
とはいえ、ゾンビ映画はアイデアだけは斬新な作品が多いが、アイデアを全く活かしきれず救いようのないクソ映画になる場合が多い。
「ゾンビvsチアガール」や「ゾンビvsゾンビ」などがいい例だ。
以上の事が多いので、正直そこまで期待をしていなかったのだが、想像以上にしっかりしており、斬新なアイデアも活かしている、かなりレベルの高いゾンビ映画であった。

まず、ゾンビに関してだが、メイクがしっかりしており遠目でも人間とゾンビと分かるようになっている。
また、演技指導がしっかりとしており、一体一体の動きが完全にゾンビであり全く違和感ない動きをしている。

本作では歩くゾンビと走るゾンビが混ざっているのだが、その理由付けも分かり易く納得しやすい設定になっている。
ただ、少々不満だったのがせっかく歩くゾンビと走るゾンビが一緒に登場しているのに、攻め方が大勢で攻めて人間が逃げ切った所を不意打ちで狙う事しかなかった事だ。
せっかく歩くゾンビと走るゾンビが一緒に登場しているに、それを活かした攻め方をしていないので、どうせならそれを活かした攻め方でキャラクターを攻撃して欲しかった。


演出に関しても、なかなか良く緊張感が常に保たれるようになっている。
中でも地下通路での演出は素晴らしく、音のみでかなりの緊張感を生み出している。
また、ライティングも不安感を煽るようなものになっており、特に地下通路の照明はかなりのレベルだと思う。

ただし、セキュリティ管理室での照明が暗過ぎる関してはかなり違和感がある。
これは「ジュラシック・ワールド」でも思った事だが、多人数の社員が仕事をしているのに、あんなに暗くしたら作業効率の悪化やミスが起こりやすくなるのではないだろうか・・・。
当然怪我も起こりやすくなるだろうし・・・。
現に本作では、侵入者がセキュリティ管理室を抜けてメインコンピューターをハッキングし、ゾンビが脱走する事になった。
セキュリティと警備がザル過ぎるという事もあるが、それ以前に警備をしにくい環境も要因の一つではないだろうか・・・。
今は色々とエコが騒がれている時代だがここまでする事はない。


ストーリーに関しても単純ではあるが、メッセージ性が高く結構考えさせられるものとなっている。
また、「恋人の裏切り」や「仲間がゾンビに噛まれる」や「本当に怖いのは人間の醜い心」といったゾンビ映画の醍醐味も上手くストーリーに盛り込まれている。

色々とツッコミ所はあるものの、娯楽作品としては比較的レベルの高い作品となっているので、ゾンビ映画が好きな人には勿論の事、娯楽作品が好きな人にもお勧めの作品である。
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