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メットガラ ドレスをまとった美術館の百のレビュー・感想・評価

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東洋美術史講義にて。

西洋人のセレブリティファッションショーで中国をテーマとして扱うことの複雑さと、果たしてこれが正解?成功?かはわからないなあと感じながら見ていた。

クリエイティブチームの価値観を揃えること、中国やアジアの人々・中国文化を扱う人々へ誤解を招かぬよう丁寧な対話の必要性。

序盤で出てきたデザイナー?が、中国へ行かなくとも映画で中国イメージは掴める!みたいなことを言っていて、エンタメの影響やそれが生み出しまうステレオタイプの存在が想起されて、かなり危険だと感じた。その点も展示の中で指摘しているのは素晴らしい。

映画で描かれてきた中国人女性の姿、「プラダを着た悪魔」でキャラ化されたVOGUE編集長、共に映画によって造られたステレオタイプを重ねた演出は印象的だった。

展示はとても素敵なものができていたのでは、と感じるけど、ラストシーン、ショーの主役のセレブリティたちがパーティーを楽しむ姿を見て、この中に中国人、もしくは中国ルーツの人間はいるのだろうか?と感じてしまった。あくまで、”西洋人”のコーディネーターが認めたセレブリティたちのパーティーだなと、皮肉めいた感情が残った。

多く見せすぎるのは良くない。何も見ないことと同じだ。
この台詞に全て詰まってるように感じた。
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