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メットガラ ドレスをまとった美術館のTOTのレビュー・感想・評価

3.8
‪白鳥も水面下では必死に泳いでる。
MET「鏡の中の中国」展とメットガラ開催までの日々を追う美術館お仕事裏側ドキュメンタリー。
人を動かす力に長けたアナ・ウィンターと、自ら動くキュレーターのアンドリュー・ボルトン、ファッションアートへの献身と共闘アツい‬。

冒頭、マックイーンのレジェンダリーさに頷き、ドレスの制作年やデザイナーを言い当てるゴルチエのキュレーターばりの知識に驚いたり、アンドリューと共に展覧会開催に動くウォン・カーウァイの中国人クリエイターとしての剛柔さに唸ったり。
あと、ビル・カニンガム出てきた時ちょっと泣いちゃう‬。

‪特に面白かったのは「鏡の中の中国」展パート。
共同企画の中国美術部門から、作品が背景に押しやられては良くないとか意見が出たり、中国はじめ各メディアへの対応や、設営トラブルなど見所満載。
反面、問題が起きても割とすぐ解決してたり描写がさらっと流れちゃう部分があったのは残念で、もっと見せて〜って感じだった‬。

‪アンドリューは本当に魅力的だった。
サンローランの保管庫でモンドリアンワンピースや毛皮を見た時の笑顔の輝きと、ポスターにもなっているドレスのひだを直すシーン目を奪われる。
青春時代はニューロマに刺激を受け、ファッションを愛し、METのキュレーターになるのが夢だったと語る彼が、夢の世界で生きる姿。美しかった。

原題は5月の第1月曜日。
今年は川久保玲展らしい。
また今年のメットガラとあわせて、どんな展示になるか楽しみですね。
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