Pnori

透明人間のPnoriのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
3.1
惜しい。タイトルに負けてる。
過去の名作を連想させてしまうタイトルに。

カメラワークと音楽は秀逸。
だけど、何かが足りない。

キャラクターの造形がとても浅いから話に入り込めず。人間関係の説明も足りないし、各人の職業もストーリーに関係なく全くの肩透かし。

最も足りないのは…主人公の魅力だね(笑)
夫が彼女に執着する理由がわからない。
美人でもないし、性格が良くてモテるわけでもないから嫉妬する根拠が薄すぎて共感できない。

夫もインパクトのある顔出しは最初と最後だけ。しつこい割には存在感がめちゃめちゃ薄い。

夫が自分のところから逃げられたのが許せない高いプライドだけでここまでやっちゃう動機の説得力もイマイチ。反社会性パーソナリティ障害だから執拗につきまとう狂気性はわかるよね?みたいな理由を付けられても… ねぇ(笑)

えげつない計画で用意周到に主人公を取り戻そうとする割には、透明人間になった時の行動が雑すぎるし、直ぐに主人公に見破られる行動パターンも単純で、あーここで来るな、と読めるからビックリも半減。

予測不能な展開と「透明人間」の変態的な趣向が全開する話に超期待してたんだけど…(笑)

そんなだから、一番ハラハラしたのは最初に家から逃げるシーンだった。

ラストも特に意外性がなく普通。
楽しみにしていただけに、ちょっと…いやかなり残念だった。
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