tubure400

T2 トレインスポッティングのtubure400のレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
3.5
20年の時の流れを思わされる映画だった。綺麗に年をとったユアン・マクレガーと、ほぼ変化のないスパッドに比べて、シック・ボーイは痩せて、不健康な感じになっているし、フランクに至っては連続殺人鬼のような雰囲気だ。たまに『1』の画像がフラッシュバック的に使われるシーンでは、『1』の青白い、不健康な格好良さが思い出されて、『2』の、言わば、脂ぎったどん底ぶりが際立って切ない。トリッピーで、アーティだった『1』に比べると、映像にも『スラムドッグ・ミリオネア』ばりのスピード感があって、逆にどことなくダサい感じもある。ヒロインのブルガリア人がどこまでもキャラが薄いのも虚しい。行き詰まった中年男性はどう撮ってもクールにはならないぞ、という、ある種の意志を感じたし、それはそれとして勇敢な一作だと思った。どろどろに脂ぎって、音楽にももはや興味をなくし、なんか、妙なコメディラップのPVをテレビで観るようになって、最悪、いつの間にか大きくなった息子に俺を越えてみろ的なしょうもない事を言うようになっても、人生はとりあえず続く、それも、明るく、悲惨にだ、というようなメッセージ性を感じた。
tubure400

tubure400