Pep

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのPepのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

なんとも言えない。
エンタメとしてもドラマとしても中途半端。作り手の誠実さを感じるのが、また厄介。
終始、インディが様々な出来事に振り回されている印象。(それが、過去の自分がしたことの結果であれ)彼が冒険をする積極的な動機がよく分からなかった。
ラストの、古代ローマ時代に残る=考古学者としての夢の中で死ぬか、現代に戻るかの選択が、インディによる主体的なものでないというのは、肯定的に評価して良いのか迷う。インディと共に旅をする中で心境が変化した者によって現代での幸福が実現したというのは、インディの心境の変化によって主体的に選択がなされた可能性と比較して、良いことなのか。インディ側の大きな心境の変化は、ラスト5分にしか無い。正直それすら、ノスタルジー演出で押し切られてる感もある。もともと内面のないキャラクターを丁寧に描くためには、これしかなかったのだろうか。そもそも、インディの老いに焦点を当ててシリアス寄りに描く、という今作の方向性そのものに疑問。高齢者になったハリソンフォード主演でやるならそれしかないのは分かるが。作らなくて良かったのでは?という身も蓋もない感想も頭をよぎる。

活劇としても、演出上の様々な工夫がある一方で、テンポが悪く、正直ラスト30分くらいまで結構退屈だった。老いたインディを丁寧に撮っているといえばそうなのだが。
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