アキラナウェイ

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

4.0
ハリソン・フォード、御歳81歳。年齢で云えばもう立派なお爺ちゃんだがいまだ現役。2015年の「スター・ウォーズ」シリーズ再登場にも個人的には歓喜したが、彼の辞書にはまだまだ引退の二文字はないらしい。2024年にはMCU参戦で「キャプテン・アメリカ」最新作と「サンダー・ボルツ」も控えているしね。

通算5作目。インディ・ジョーンズシリーズ、ここに完結。

1944年、インディ(ハリソン・フォード)はナチスが略奪した秘宝「ロンギヌスの槍」を奪還する折、ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)が見つけたもう一つの秘宝「アンティキティラのダイヤル」を手に入れる。

時が経ち1969年。インディは旧友の娘ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)から、かつて手に入れた"運命のダイヤル"の調査を依頼される。同時期にフォラーもダイヤルを取り戻すべく、ナチスの残党と共に動き出そうとしていた—— 。

1944年パートでは、最新の映像技術により蘇った若かりしインディの姿を存分に拝められる。…のだけど、声だけはやはり変えられないのよな。こちとらシリーズ全作をリアルタイムで観てんのよ。あの頃のインディの声は脳の海馬と耳の鼓膜にこびり付いているもんでよ。姿は若いが声はお爺ちゃんな違和感に若干モヤる。

でも!!大目に見る!!
シリーズ完結編だから!!

フィービー・ウォーラー=ブリッジ演じるヘレナは、時にインディを裏切り、時に彼と共闘する若きヒロイン役を好演。彼女と少年テディとを帯同させた大冒険は、「魔球の伝説」のヒロイン、ウィリーと少年ショーティーとの関係性を彷彿とさせる。

マッツの存在感は流石だが、アントニオ・バンデラスのキャラは必要だっただろうか?あまりに雑な扱いが不憫でならない。

でも!!大目に見る!!
シリーズ完結編だから!!

馬に跨り、街や地下鉄の駅を駆けるインディ。アクションシーンの多くがスタントダブルの活躍に他ならないだろうが、ハリソンの年齢を考えれば十分過ぎる程動き回っていたと思う。

アンティキティラのダイヤルとは、即ちアンティキティラ島近海の沈没船から発見された古代ギリシア時代の遺物で、天体運行を計算するため作られた手回し式の太陽系儀であると推定されている、"アンティキティラ島の機械"と呼ばれているもの。

劇中何度も、"数学"の重要性が説かれていたが、それにしてもだよ。

まさか、あんな展開に…。
(ネタバレ含みますので行間空けます)













え!?
時空越えるの!?

まさかの展開に開いた口が塞がらない。

いやいやいやいや。
リアリティに欠けるでしょうよ。
これは大きく減点対象になるぞと落胆しかかっていたけれど。

でも!!大目に見る!!
シリーズ完結編だから!!

紀元前のシラクサ包囲戦の真っ只中に舞い降り、天才数学者アルキメデスと出会うインディ一行。

そこで、インディが「残りたい」と口にした事。嗚呼、やはり彼は生粋の考古学者なのだ。かつての歴史の偉人や出来事を夢想し、想いを馳せてきた彼が、いざその時代に降り立ったなら、その選択肢しかないよな。そう思えば、自然と涙が頬を伝う。

ヘレナに痛恨の一撃を喰らって、1969年に戻ってきたインディ。そして、別居中だった、妻マリオンとの再会。

むぅぅぅぅぅ。
色々不満もあったけど、こんな最高のラストシーンを用意されたら何も言えないではないか。そして正直な事を言えば、あのテーマ曲が劇場で流れている時点で、映画好きでインディ好きの本能は、制御不能でテンション爆上がりな訳なのよ。

本音を言えば、スピルバーグにメガホンを取ってもらいたかったな…。

いいよ!!大目に見る!!
シリーズ完結編だから!!