ShimaD

3月のライオン 後編のShimaDのレビュー・感想・評価

3月のライオン 後編(2017年製作の映画)
4.0
前編が面白くて後編がダメってのはよくありますが、これは逆でよかったー。
前後編通して脚本は冴えキャスティングが光る、漫画原作の実写化成功例がまたひとつ、といった感じです💡

話は相変わらずのぎゅうぎゅうな詰め込み具合でしたが、端折り方もなかなか悪くなくて、ひなたちゃんのエピソードの唐突な終わりは、原作と比較しても納得できます。
漫画のほうはちょっとやりすぎにも思えたので、あの裏でどんなやりとりがあったにせよ、子どもたちの目線までで終わりに至ったのはむしろよかったです。

蔵之介の島田さんに続き、伊勢谷友介演じる川本三姉妹の父もハマり役というと不名誉でしょうが、再現度が高いというか、さらにイヤ~な男に仕上がっていて…。笑
ドロドロ気味なエピソードにもかかわらず、川本家が優しいだけじゃない、強さも持っているんだという、爽やかさすら感じられますね🌈

そして幸田家の家族再生物語もなかなか。
新たに加わった“桐山零”という駒を理由として手詰まりに見えていた家庭も、父と子とで局面の捉え方が異なっていて…というほろ苦さがなんとも。
桐山くんのことを思えば(それもっと早く言ってあげてよトヨエツ!)と思わなくもないですが。笑

ちなみに、将棋は全然詳しくはないですが、後藤九段との対局や幸田家のエピソードで、決まり手といいますか、詰むや詰まざるやといった局面が、そんなに意外でもない、誰でも気づきそうな盤面に見えてしまうのは素人考えなのでしょうかね?
有段者でなくとも先の読めそうな展開だったように見えたのが違和感ではありました💦

宗谷名人や後藤九段の背景も描写されていく中で、さすがに桐山くんや二階堂の出番は減少。
桐山くんに至っては、口を出せば「他人のくせに」と煽られ「今日は帰って」と追い出され、再びの「将棋しかねぇんだよぉ」でしたが、お金でも的確なアドバイスでもない、ただ“味方が居てくれる”という心強さが何よりの存在意義なのでした🐱

他人との結びつきが極端に希薄だった桐山くんだからこそ、大切な人のために行動したときの極端さがハンパないですが、なんかちょっとわかる気がしますー。
じぶんができることの最大限で貢献したくなるあの気持ち。助けにならないと!って焦燥感で視野が狭くなって、さらにハイになって猪突猛進…!笑

そしてそして、着物屋さんからラストまでは本当にすばらしかったですね。終わり良ければ総て良し。
漫画原作やキャストの面々から、メインターゲットは若者のように思えますが、家族ドラマがすきな大人のかたにも楽しめる部分はあるのではないかなーと思いました✨
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