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ローマ法王になる日までのyのネタバレレビュー・内容・結末

ローマ法王になる日まで(2015年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2013年ローマ法王になった法王フランシスコ、本名ホルヘ・ベルゴリオ が教徒になる少し前の1960年から法王に選ばれるその時までを描いた映画。軍事政権として独裁統治をしていたアルゼンチン政府に対する一般市民や教会の戦いが主に描かれていたように思います。

和やかなサルサ?のBGM が流れる中、監獄に連れて行かれ拷問の始まる直前までのシーンやホルヘの大事な人エステルなどの反政府者だとする者たちを逮捕し、安全な国外追放の為のワクチンだと騙して薬で体の自由を奪い飛行機から流れ作業で物のように黙々と海へ投げ込むシーンなど淡々と残酷な歴史が描かれていました。

飛行機から投げ込まれるシーンは静かだからこその本当の怖さでした。行方不明者捜索の集団嘆願を政府にしようとしたエステルたちの団体に虫も殺さないような穏やかな顔をして潜入していた政府密偵役の青年。彼は飛行機の床に横たわる人々を見つめてどんなことを思っていたのでしょう。

「深い苦しみの前に知識は無力です」エステルや司祭アンジェレリなどを失い、軍の圧政が解かれ自由になったホルヘがホームステイ先の笑顔の柔らかい老婆に語りかけた時の言葉です。その後ホルヘは散歩中に見つけた教会で“結び目をほどく聖母”をベネズエラから来ていた女性に教わります。それは苦しみや悲しみの結び目を聖母がほどいてくれるというものでした。

貧民街の強制執行がなされる時、警察と貧民街の住人たちを治めたホルヘたちのミサがとても印象的でした。聖書の一部であろう“主はソロモンの夢に現れこう言ったい「汝の望むものを全て与えよう。」ソロモンは言った。「聞き分ける心を下さい。」”がとても心に残りました。私も心から欲しいと思うものです..

数年後、救ったその貧民街での白髪になったホルヘのミサも心に響くものでした。「あなたの兄弟は誰か?悪人に向かって尋ね続けなさい。...私は彼が、彼は私が助ける。」

奥さんの前で殺されたと思っていた1番近くで支えてくれ続けた司祭が生きていましたよね⁉︎法王選挙の結果を老人ホームのような所で見て本当に喜んでいたように思ったのですが..気のせいでしょうか。

途中受け皿の無いけん玉にそっくりなおもちゃが出て来たけれどアルゼンチン発祥なのかな?

法王に選ばれた時の実際の演説映像が終盤に流されました。教徒になったばかりの時、ホルヘは宣教師として日本に来ることを希望し、この映画の最後の言葉は「彼が日本を訪れる日も近いだろう」だったのに少しほんわか( ´◡` )

南米出身の法王のお話だけれど、なんでイタリアで作られたんでしょう?
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