愚行録のmskirのレビュー・感想・評価

独特の雰囲気がズシっと重めな、胃もたれがずっと続いていくようで、いつまでもスッキリはしないのだけど、没頭してしまう。
多くのキャラが抱える人物背景が綺麗に混ざり合って、増長する気持ち悪さと懐疑心が興味に変わってゆく妙な感覚。
本音と虚偽に繕われる人間たちの純粋な欲求が現実に置き換えると恐ろしすぎるが、映画としてはとても面白い。
妻夫木聡の内に潜む闇は最たる愚行なのだが明確には描かれない。ある意味冒頭のバスシーンがそれを物語っているようにも思える。