このレビューはネタバレを含みます
面白かった…。
最初はよくある記者が未解決事件を追う感じのやつかと思ったけど、予想外の展開だった。
観終わった後一瞬モヤモヤするけど、かなりよくできたストーリー。
インタビュー形式で進んでいくこのストーリーは事件の犯人を見つける物語かと思わせて、犯人を知る人間を見つける物語だった事に気づいて全てがひっくり返った。今までの田中兄妹の表情が違って見えてくる。
田中はすでに犯人を知っていたし、それは最愛の妹であり、妹に辿り着く可能性がある人を殺すために事件を追っていた…。
妹の兄への信頼、それは単なる兄妹愛ではないそれを超えた愛だった。そう思うと妹の発言一つ一つが鳥肌ものだと気づく。
その事を踏まえてもう一回観直してみると、田中役である妻夫木聡の演技が凄い。
最初は田向家に訪れたシーンで出会ったおばさんに犯人のことを悪く言われているシーンで、田中は無表情の中に少し悲しさがあるのかなと先入観で感じていたが、改めて観てみると苛立ちの表情にも見える。
稲村の「似てきたと思いません…？」からの赤ちゃん頭部のカットに移って妻夫木聡の表情が…。最初は気づかなかったけど似てきたら秘密がバレてヤバいと思っていたのだろうか…。
満島ひかりの表情も最高、一人で罪を独白するシーン。いい映像だった。
映像演出もめちゃくちゃいい。
インタビュー形式なので会話のシーンばっかりだが、合間合間でプツプツはいる回想の入り方が綺麗。カメラワークもオシャレだし、シンプルに映像が美しい。
