セサミオイル

愚行録のセサミオイルのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
3.9
劇場で観た時、強烈な印象だったのでまた観たいとずっと思ってました。ようやくアマプラ入り!時代が変わって見方も変わりました。
出る人出る人タイトル通りのクズっぷり、それらを観て当時は黒い感情が渦巻いたものですが今のようなコンプラコンプラコンプラでがんじがらめの鬱屈した時代では逆に真っ直ぐにクズな登場人物たちを見てスカッと(ラスト以外)する感覚さえありました。ダメですけど。
映画が改変された訳でもないのに時代背景によりこうも見え方が違うとはね。
本能に任せた行動は人間らしくて素晴らしいですが相手の気持ちを考えずに本能のまま突っ走ると時に悪行となりますね。社会性というものが素晴らしさと悪行の分岐点なのかな。欲望剥き出しの行動は実際犯罪にもなりますしね。本作では全く犯罪にならない悪もたくさん出てきます。これが怖い。

救いのない物語なので覚悟して観た方が良いですが、そういう物語を観てボコボコに打ちのめされたいという人には救いになるかも知れません。