物語、脚本、キャスティング、演出、演技、音楽、etc、、1から10まで刺さりまくった。
貧困の上に更にのしかかる重たい現実そして更に…というヘビーな設定ながらも物語はそこにのみ留まらない。理不尽な現実の渦中にいる者、それを目の当たりにした者、その登場人物たちがどういう心境になりどういう行動を選択してゆくのか。
この映画はそんな崖っぷちの人間模様をまざまざと観せてくれた。
以下ネタバレではないけどほんのり内容について語ります。当方、これから観る方には前情報なしの鑑賞をお薦めしております。
この映画は「見てみぇや、こんな酷い現実を生きてる人もおるんやで。」と得意げに露悪するだけの幼稚な映画ではない。
暗闇の人生の中でも未来を生きようとする強い意志と人を愛する気持ちが厳然と存在し、それこそがこの映画の核心だった。
謎めいた市子という存在を徐々に紐解いてゆく語り口は秀逸で、なんと完璧なサスペンス仕立てになっていた。
次はどうなる！？次はどうなる！？と、どんどん物語に引きずり込まれていった。
最高でした。
