たーへる

愚行録のたーへるのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
4.0
面白かった。

最初、田中がバスの中で高齢者に席を譲れと言われて嫌な感じで席を立つんだけど、足を引き摺っていて「足が不自由だったから座っていたんだ。」という雰囲気になり席を譲れと言ったおじさんが気まずい感じになってしまうんだけど、バスから降りてバスが見えなくなったら普通に歩き始める田中。
『ユージュアル・サスペクツ』を思い出させるような演出だ。
ただ、最初のこの場面でこういう嫌なことをしてしまう人物だということが描かれているのにも関わらず私はすっかり忘れて主人公だと思って感情移入しながら観てしまった。(まんまとやられました)

人間の嫌な部分や格差がこれでもかと抉り出されて辟易してしまったが、予想を裏切る展開で面白かった。

臼田あさ美さんの「階級などには興味ありません」という態度をとっておきながら実は自分が人一倍階級に固執しているというねちっこいキャラの演技が特に良かった。

『あのこは貴族』『彼女は頭が悪いから』的な要素もある。
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