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彼らが本気で編むときは、のkrhのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
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荻上直子の最高作なのは間違いない
男とか女とか、大人とか子どもとかの前に人間同士の付き合いなのであって、なんの憂いもなく関係性の気持ち良さだけで繋がれたらどんなにいいだろうと思う
それでも、親と子で結んだ関係には切り離しきれないものがある、良くも悪くも
「チョコレートドーナツ」や「海よりもまだ深く」を思い浮かべながら観ていた

彼女の行動はまごうことなく母親としての普遍的な役割だった。やりとりや紡がれる関係性には身に覚えがある
女の子にも母親のおっぱいのやわらかさを感じて安心したくなる頃ってあるよな、と思ったし、母親の布団に潜り込んで抱きとめられる感覚を思い出した

ラストで包みを開いたあの瞬間に涙が出た。母親から貰って、子へ繋ぐ、彼女にしか出来ない母親としての贈り物。それこそ「母さんが夜なべをして」
それにしても大きいな〜と泣き笑いしてしまった。愛情と期待と希望と寂しさと、色々なものを詰め込んだんだろうな
トモちゃんはきっといい女になるよ
どんな形をしていてもそれが愛情であることを彼女はもう知っている

編み物はお守りにも呪いにもなる
彼らが本気で編むときは、思いの丈を…
色とりどりのアレを投げ合って遊ぶの本当に最高だし自分もやりたい
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