ヒモ同然の生活を送っているエロ漫画家志望の青年（津田篤）が、高校時代に心を通わせていた訳ありの女性（持田茜）とソープランドで再会する。通り過ぎた青春への鎮魂を描いている、オーピー配給のピンク映画。

かつて肉体関係抜きで親交を深めた男女が、異なる境遇の中で再会して、青春ワンスモアを展開させる。役者の芝居は総じて良好なのだが、割りとどうでもいい恋愛劇に落ち着いているため、個人的には興味が湧かないタイプのピンク映画となっている。

現代パートと過去パートを交互に開示しながら、ヒロイン側の境遇を伝えていく手法は、それなりに効果を上げている。しかし、青年側の人間性（なぜダメ人間になったのか）を掘下げていないため、鑑賞側との同調が今ひとつ乗り切れない。

「学生時代の甘酸っぱい恋愛が通じなくなったこと」への鎮魂歌を汲み取ることができるが、全体的に軸がブレている印象。藍山みなみの部屋に貼ってある、「ヴァンピロス・レスボス」（ジェス・フランコ監督）のポスターが、最大の注目ポイント。

行間、余白で笑わせる、泣かせる上品な映画。(ピンク映画だけど)
当時、全ての登場人物が大声で自己主張する下品な邦画ばかりでウンザリしてたので、「コレが映画だよな〜」と感心しました。

☆☆★★★

別題 うたかたの日々

※ 鑑賞直後のメモから

如何にもピンク映画らしいピンク映画。

脚本は城定秀夫で、出演者の１人には漫才コンビダイアンの津田。

売れない漫画家がヤケクソで、貰った原稿料を手にしたままソープへ。
すると、その店には同級生の女の子が。
かくして2人は意気投合。彼には同棲している女の子が居るにもかかわらず、同級生の女の子と遊び捲る。
しかし、彼女には或る秘密が…とゆう話。

主演はA V出身の持田茜で、彼女がとても可愛いらしく撮られている。
特に海岸の場面は、切なさに溢れており。その佇まい等を見ると、同性からも共感を受けそうな気がする。

２０１０年７月１７日 目黒シネマ