ブサ猫太郎

ドラゴン・タトゥーの女のブサ猫太郎のレビュー・感想・評価

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
3.7
汚職の摘発に失敗してしまい皆の笑いものになってしまった記者のミカエルに届いた依頼。それはスウェーデンでも有数のヴァンゲル財団の元会長からのものであり、40年前に起きた親族の娘ハリエット失踪事件を解決することであった。しかし、捜査を進める中で連続殺人事件と関係していることが判明。真実を暴くためにミカエルはとある女性と協力することになる…

地位を失った記者と他者を信じられない女が連続殺人事件の謎を追求していく物語🐉

ひとまず観終わったけど、ヴァンゲル家の関係性が覚えられん…この人は誰かを相関図とかを特に出す訳ではなくサラッと口で説明して終わり。邦画ならまだしも洋画の人名だとかなりキツイな笑

それでも、なぜ失踪したかの謎に惹かれてどんどん見てしまう。

それだけになぜ連続殺人を行ったのか、犯人の動機やバックボーンがあまり描かれていないのが残念。快楽殺人で頭がおかしい奴だからと言ってしまえば終わりだが、あの家ならば他に理由がありそう。

そして、この作品はミステリー以外にも主人公たちのラストの違いが面白い!

まず1人目はダニエル・クレイグ演じる記者のミカエル。物語冒頭では訴訟を起こされ、貯金も無くなってしまう程に追い詰められてしまう。それが事件を通して知り合ったリスベットのおかげで新たな証拠を手に入れ、あれよあれよという間に生活は元通り。ラストは愛人とどこかへ行く余裕まで見せるハッピーエンド。

それに比べて2人目のリスベットはバッドエンドな展開。子供の頃に父親に虐待を受けたことをきっかけに他人を信じられない性格に。それだけでなく攻撃的な一面も持ち合わせており、男にアナルをレイプされたら後日やり返すという恐ろしさも。そんな酷い人生を送るなかで初めて出会った信頼できる相手がミカエル。そこから他人に心を開いていく成長があったものの、ラストのミカエルが愛人といるところを目撃してまたもや心を閉ざしてしまう。

事件を解決したということは同じなのにも関わらず全く違う結末を辿っているところのが切なすぎる。