もちお

エル ELLEのもちおのネタバレレビュー・内容・結末

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 初鑑賞です。
 字幕版です。

 以前から気になっていた映画です。

 感想としては、難しかったです。
 覚悟した上で鑑賞しましたが、きついシーンが多かったです。
 一方、主人公ミシェルの強さを感じました。

①印象的な点
・現実に立ち向かうミシェル
 ミシェルは様々な悩みを抱えています。
 レイプ被害、息子の問題、親との関係、職場でのトラブルなど、しんどかったです。
 でも、ミシェルは逃げません。
 基本的に淡々とした表情で対応していく姿が印象的でした。
 友達のアンナに不倫の告白をしたり、パトリックに警察へ行く旨を伝えるなど、強さがありました。

・パトリックの妻レベッカ
 最後のミシェルとの会話でゾッとしました。
 レベッカはパトリックの犯行に気づいてたのですかね。しかも、ミシェル以外にも被害者がいることが暗示されていました。
 「応じてくれて、ありがとう」という趣旨の発言が怖かったです。
 見て見ぬふりをしていたのでしょうか……
 敬虔なカトリック教徒として描かれていたので、より衝撃的でした。観ていて気持ち悪くなりました(誉めてます)。

・人間の多面性
 各登場人物の多面性が描かれていたと思います。
 ミシェルは良いところもありますが、友人の夫との不倫など問題もありました。
 息子ヴァンサンは頼りないけど、優しい人です。
 ミシェルのお父さんは大量殺人を犯しましたが、穏やかで優しい面もあったことが描かれていました。
 パトリックは一見いい人ですが、レイプを繰り返しています。
 パトリックの妻レベッカの多面性は前述のとおりです。
 人間の描き方として、とても誠実だと思いました。

②その他
・小鳥にかぶりつく猫

・双眼鏡で覗きながら……

・母親の結婚宣言に対するミシェルの笑い方

・ヴァンサンの恋人ジョジー
 赤ちゃんの肌の色を観た時、絶句しました。
 物語後もヴァンサンと子供を育てていくつもりなのでしょうか。

・手に刺さるハサミ
 観ていて痛かったです。
 襲ってくるパトリックが悪いので、自業自得ですが。

・最後のパトリックの一言
 「なぜ?」って……
 こっちが「なぜ?」と思いました。

・両親との死別
 わだかまりが解消されずに死別してしまうのが苦かったです。
 ミシェルからの面会申請を知ったお父さんが自ら命を絶つのは、何とも言えない気持ちにさせられました。

③まとめ
 観て良かったです。
 考えさせられました。
もちお

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